読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

よく遊び、よく学べ

アラフォー・高卒・三児の母が、通信教育で教員免許(小学校&特別支援)取得を目指す日常。

「我が子は死ねばいい」なんて親なら絶対思ってはいけないことなのか?

今期見ているドラマのひとつ、「奇跡の人」

www.nhk.or.jp

 

ヘレン・ケラーの家庭教師、サリバン先生の「奇跡の人」の現代版アレンジ。

(第1話のあらすじ)

 亀持一択(峯田和伸)は毎日を怠惰に生きるだけの、なーんにもないダメ男。ところがある日、偶然出会った鶴里花(麻生久美子)に恋をした。花には目と耳に障がいを持つ娘・海(住田萌乃)がおり、住む家を探して困っていた。一択は自分のアパートの大家・風子(宮本信子)に部屋を貸してやって欲しいと頼み込む。そして、海に世界のことを教えてやりたい、海にとってのサリバン先生になりたいと、人生初の無謀な挑戦を始める。

 

 

(以下ドラマの内容に触れています)

 

 

 

これ、盲ろうの女の子(海)と、バカで一途な男(一択)の絡みがさまざま展開するんですが。

 

わたし、
「障害があってもあの人(障害者)は頑張って生きてるんだ、それに比べたら(健常者の)私なんて幸せなほうだ、がんばろう」
みたいな涙を誘う障害者を扱うドラマは、だいっきらいです!
障害があってもこんなにいい人、いい子、天使、あなた(親)を選んで生まれてきた…などなど、

ばっかじゃねーの!

 

っていつも思ってます(笑)

(ここで、「人の善意をなんだと思っているんだ」「良かれと思って言ってあげているんだ」と思う人、感じる人は、回れ右して『閉じる』ボタンか『戻る』ボタン押してください。)

 

で。

それでも、そういうドラマでないと地上波ではやれないんでしょうね。
だけどこのドラマは、そういう綺麗事なドラマじゃないのです。
もう、わたしのツボにガンガンはまりまくってくれる脚本です。


例えば、第3話。
花と海は二人暮らしでいわゆるシングルマザー(正確には父親は家出)なのだけど、その2人を捨てた夫の正志、この父親が、再び母娘の前に姿を現して正式に離婚しようとするのだけど、その時に正志が吐いたセリフ。

「(障害児の海を)殺しといたった方がよかったんかなぁ?ってそれだけは後悔してるわ」

こんなセリフ、地上波じゃまずむり。いろんな団体でてくるから(爆)

 

そして、4話。

一択と海の距離が近づき始めた事に気がついて嫉妬する正志のセリフ。


(一択は花に一目惚れしている)
「単に花にほれたバカ男だと思とってん。だから、こいつ(海)のことも、しゃあなしにみたいな。」
「せやなかったら、あの〜おるやん。何か、かわいそうな人を助けるのが大好きな人たち(笑)せいぜい頑張ってとか、ご苦労さんとか思ててん。」


(でも一択はそうじゃないというところに気がついて)
「お前気持ち悪いな〜」

(一択が盲ろうの海のことを「海の世界」と表現したことに対して)
「おったわ〜。おった、おった。お前みたいなこと言うやつ。
この子は世の中の汚いもんをしらない。美しい存在だとかいいよんねん。」
「天使なのよとか言うとんねん。」
「天使なんやったら、お前にやるから連れて帰れいう話やろ。」

そして極めつけ。
「動物で、目も見えへん、耳も聞こえへんやつ。生まれたらどないなんねん。
死ぬだけやろ?何にもできへんねんから。」
「こんなもん生きてたって、しゃあないねん。」

そして、一択をフルボッコにするんですよ。

このシーン、地上波では絶対無理!
それでも、ここで嫌悪感を抱いた人はけっこういたような感じ(公式の掲示板とかTwitterとか見ると)

この4話のラストで、一択が花に(その場にいない)正志のことを責めるんですが、
花が「正志は頑張った」「正志を責めるやつは許さない」って言うんです。

一択をフルボッコにした後に正志はこんな捨て台詞を言いました。

「俺はお前を認めない」

 

たぶん、正志は一択に過去の自分を重ねているんじゃないかと、わたしは思いました。

 

障害児の親になるということは、「普通の親」には想像ができないことです。
正志が吐いたセリフ、これはまさに本音なんじゃないかって思うわけです。
だけど、そんな「我が子を殺す」なんて絶対思っちゃいけないって自分を否定するんです。周りからのプレッシャーで。親は子供を100%受け入れなければいいけない、受け入れられるはずだ、障害があろうが愛せるはずだ、というプレッシャーで。

少し前、「出生前診断」ができるようになって話題となりました。
その時、それで中絶を選択することは命の選別をしている云々とか言われていました、障害があるからって我が子を殺せるのか、みたいな雰囲気がありましたが、

蓋をあけてみれば

www.nikkei.com

これですよ。ちなみに私は「育てる覚悟がないなら中絶すればいい」という意見です。

 

その昔、お産婆さんが赤ちゃんを取り上げていた頃は、出産直後、障害があるとわかるとすぐ絞め殺して死産にしたそうです。

 

障害を持って生きることは、そんな生易しいことではないのに、
世間は(この国は?)、汚いこと(感情)には蓋をしようとします。
良かれと思ってやっているんでしょうが、それが逆にそういう感情を抱いてしまう人に人間失格だと言っていることもあるのじゃなかって思うのです。

人間なんて、不完全で醜い生き物です。


そんな醜さがリアルに描かれているから、だからこのドラマが好きです。

それから、私は決して障害者の存在(人権)を否定しているわけではないことだけは付け加えておきます。